ステンレスばね材(SUS304-CSP)薄板の加工
先日、ネット経由のオーダーで、ステンレスばね材(SUS304-CSP)薄板の加工をしました。
ステンレスばね材(SUS304-CSP)というのは、SUSバネ材とも言ってますが、もうちょっと正確な言い方をするとすれば、「ばね用ステンレス鋼帯」ということになりますかね。
JIS G4313で定義されている冷間圧延で製造されるステンレス鋼帯のことです。
話がちょっとそれましたが、このステンレスばね材(SUS304-CSP)の、板厚がt0.03の薄板、箔と言ってもいいですね、これを加工しました。
ちなみに、0.03mmというと、どの程度の厚さかピンときますか?
あまりピンと来ませんよね。。。
例えば、A4のコピー用紙1枚、どれぐらいの厚さがあるかご存知ですか?
実際にマイクロメーターで測ってみました。
すると・・・1枚の厚さは、0.09mm前後でした。以外と厚いんです。
ですから、0.03mmの板厚というと、紙の厚さの約1/3程度ということです。
また話がそれてしまいましたが、加工の形状としてはいたってシンプル、複雑な形状ではありません。円形状のものです。
しかし、このように薄い上に、結構小さいんです。
外径が4mm程度しかないんです。風にでも吹かれたらそれこそ一発で紛失しちゃうでしょう。
どうやって加工しようかとちょっと考えましたが、結局、ワイヤーカット(ワイヤー加工)で加工しました。
加工方法としては他に、エッチング加工が考えられましたが、加工形状がシンプルであること、数量が少ないこと(試作なので十数枚程度)などの理由から、ワイヤーカット(ワイヤー加工)の方がコスト的にメリットが出せるので、ワイヤーカットを採用しました。
で、実際の加工手順としては、
?.まず材料を、うちでは大活躍の足踏みシャーリングで適当な大きさに必要枚数をカット。?.そのカットした材料を全部重ねる。
?.重ねた材料を一度にまとめて必要な形状にワイヤーカット。
?.重ね切りした材料を1枚1枚ばらす。
?.乾燥後、完成。
という具合です。
ここで、予想はしていたのですが、予想以上に非常に手間がかかってしまったこと。
上記の、
?.重ね切りした材料を1枚1枚ばらす。
これです。
ワイヤーカット(ワイヤー加工)はワークを水の中に入れて加工するので、紙よりも薄い薄板なんかを何枚か重ねてカットすると、加工後薄板同士がくっついてしまってなかなか剥がれなくなります。
これ、はがすの大変だろうなぁー、なんて軽く考えてはいたのですが、実際はがそうとしてみると、これが想像以上に大変(汗)。爪なんかでは到底剥がれません(泣)。
爪の大きさよりも小さく、紙の1/3しかない薄いものなので、よくよく考えれば当然と言えばそうなんですが。。。
で、どうしたかというと・・・
左手の指でどうにか捕まえて、裁縫用の針の先で板と板の間を狙ってほじくって、1枚1枚はがしていきました。
正直、暴れたくなりました(泣)。指先と目が釣りそう。。。
結局、全部はがすことはできましたが、20枚くらい剥がすのに、1時間くらい費やしました。
このとき、やっぱりエッチングにすればよかったかなぁ、なんて頭をよぎりました。
まぁ、これも勉強ですね。
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