2006年03月24日

JIS規格 幾何公差のためのデータム JIS B 0022/形体,記号,データムターゲット,図示,方法

幾何公差を指示する際のデータムに関するJIS規格資料をアップしました(HP追加更新情報)。
資料館(公差)のコンテンツへの追加です。

JIS規格/幾何公差のためのデータム JIS B 0022/形体,記号,データムターゲット,図示,方法/資料館(公差)

以下に内容転載しますが、表や図は以下では割愛してますので本サイトの方でご確認ください。
特にこの内容は図がないと理解できないですので。
こちらから。

JIS規格/幾何公差のためのデータム JIS B 0022/形体,記号,データムターゲット,図示,方法/資料館(公差)

公差関連のJIS規格リストはこちら。
公差・幾何公差関連 JIS規格リスト-はめあい,寸法公差,一般公差,データム,製図,ねじ,加工製品の公差表示・普通寸法公差など/資料館(公差)

その他、加工品の普通公差はこちらも。
JIS B 0405 普通公差(個々に公差の指示がない長さ寸法及び角度寸法に対する公差)
JIS B 0408 金属プレス加工品の普通寸法公差
JIS B 0410 金属板せん断加工品の普通公差
JIS B 0419 普通幾何公差(個々に公差の指示がない形体に対する幾何公差)

他には、寸法公差,幾何公差の関係(製図-公差表示方式の基本原則)リーマの寸法公差の決め方などもあります。

なお、JIS規格関連ならこちらも参考に。
資料館(鋼材・材料)
勉強部屋


以下、転載内容。

【 幾何公差のためのデータム 】


1.適用範囲

この規格は、幾何公差を指示するときに用いるデータム及びデータム系の図示方法及び設定方法について規定する。

引用規格:

* JIS B 0021 幾何公差の図示方法
* JIS B 0621 幾何偏差の定義及び表示

国際対応規格:
ISO 5459 Technical drawings - Geometrical tolerancing - Datums and datum-systems for geometrical tolerances

関連規格:

ISO/DIS 1101 Technical drawings - Geometrical tolerancing - Tolerancing of form, orientation, location and run-out - Generalities, definitions, symbols, indications on drawings

ISO 1101/? Technical drawings - Tolerances of form and of position - Part ? : Maximum material principle


2.用語の意味

この規格で用いる主な用語の意味は、JIS B 0021(幾何公差の図示方法)、JIS B 0621(幾何偏差の定義及び表示)によるほか、次による。


(1) データム

関連形体に幾何公差を指示するときに、その公差域を規制するために設定した理論的に正確な幾何学的基準(図1)。
例えば、この基準が点、直線、軸直線、平面及び中心平面の場合には、それぞれデータム点、データム直線、データム軸直線、データム平面及びデータム中心平面と呼ぶ。

図1 データムの意味(図は割愛)


(2) データム形体

データムを設定するために用いる対象物の実際の形体(部品の表面、穴など)(図1)。
備考:
データム形体には、加工誤差などがあるので、必要に応じてデータム形体にふさわしい形状公差を指示する。


(3) 実用データム形体

データム形体に接してデータムの設定を行う場合に用いる、十分に精密な形状をもつ実際の表面(定盤、軸受、マンドレルなど)(図1)。
備考:
実用データム形体は、加工、測定及び検査をする場合に、指示したデータムを実際に具体化したものである。


(4) 共通データム

二つのデータム形体によって設定される単一のデータム。


(5) データム系

公差付き形体の基準とするために、個別の二つ以上のデータムを組み合わせて用いる場合のデータムのグループ。


(6) データムターゲット

データムを設定するために、加工、測定及び検査用の装置、器具などに接触させる対象物上の点、線又は限定した領域。


3.記号

データム及びデータムターゲットの記号は、表1 のとおりとする。

表1 データム及びデータムターゲットの記号(表は割愛)


4.データム又はデータム系を指示する場合の基本的事項


4.1 単一のデータムによる指示

姿勢公差、振れ公差などは、一般に単一のデータムと関連して指示する。


4.2 三平面データム系による指示

位置公差は、一般に互いに直交する三つのデータム平面と関連して指示する。これらの三平面によって構成されるデータム系を、三平面データム系という。この場合、データムの一義性を考慮してデータムの優先順位を定めて指示する。三平面データム系を構成するデータム平面は、その優先順位に従ってそれぞれ第一次データム平面、第二次データム平面及び第三次データム平面という(図2)。
これらのデータムに対応する実用データム形体は、それぞれ第一実用データム平面、第二実用データム平面及び第三実用データム平面という(図3)。
備考:
円筒状の対象物に三平面データム系を適用する場合には、軸直線を含む互いに直交する二平面と、軸直線に直交する一平面とで三平面を構成する(図4)。

図2(図は割愛)
図3(図は割愛)
図4(図は割愛)


5.データム及びデータム系の図示方法


5.1 データムを指示するための図示方法

データムを指示するためのデータム記号の表し方は、次による。


(1) データム三角記号の付け

データム三角記号の付け方の詳細は、JIS B 0021 による(図5、図6)。

図5(図は割愛)
図6(図は割愛)


(2) 文字記号によるデータムの示し方

文字記号によるデータムの示し方の詳細は、JIS B 0021 による(図7)。

図7(図は割愛)


5.2 公差記入枠へのデータム文字記号の記入方法

データム記号によって指示したデータムと公差との関連を表すために、公差記入枠にデータム文字記号を記入する方法は、次による。
備考:
公差記入枠の左から一番目及び二番目の区画中の記入については、JIS B 0021 による。


(1) 一つのデータム形体によって設定するデータム

データムを一つの形体によって設定する場合には、そのデータムは公差記入枠の左から三番目の区画の中に指示する(図8)。

図8(図は割愛)


(2) 二つのデータム形体によって設定する共通データム

一つのデータムを二つの形体によって設定する場合には、そのデータムは、ハイフンで結んだ二つの文字記号によって公差記入枠の左から三番目の区画の中に指示する(図9)。図示例を図10 に示す。

図9(図は割愛)
図10(図は割愛)


(3) 二つ以上のデータムによって設定するデータム系

二つ以上のデータムを組み合わせて設定するデータム系の場合には、それらのデータムは、公差記入枠の左から三番目以降の区画の中に優先順位に従って記入する(図11)。図示例を図12 に示す。

図11(図は割愛)
図12a(図は割愛)
図12b(図は割愛)

備考:
データムを指定する場合の順序は、図13 のように公差に大きな影響を及ぼすので注意する必要がある。図示例を 図14 に示す。

図13(図は割愛)
図14(図は割愛)


6.データムターゲットの図示方法


6.1 データムターゲットを指示する場合の基本的事項

データム形体が面である場合には、その面が理想的な形状と大きく異なることがある。この場合、全表面をデータム形体として指示すると、加工、検査などのときの測定に大きな誤差を生じたり、また、繰返し性・再現性が悪くなることがある(図15 及び 図16)。これを防止するために、データムターゲットを指示する。

図15(図は割愛)
図16(図は割愛)

備考:
データムターゲットを指示する場合、形体の全表面をデータムとする代わりに、幾つかの限定したデータムターゲットだけで指示することによって、部品の機能を損なうかどうかを検討しておく必要がある。
この場合には、形状偏差及び位置偏差の影響を考慮しなければならない。


6.2 データムターゲットを図示する場合に用いる記号

データムターゲットの図示は、次のデータムターゲット記入枠、文字記号及びデータムターゲット記号による。


(1) データムターゲット記入枠及び文字記号

データムターゲットは、横線で二つに区切った円形の枠(データムターゲット記入枠)によって図示する。データムターゲット記入枠の下段には、形体全体のデータムと同じデータムを指示する文字記号及びデータムターゲットの番号を表す数字を記入する。上段には、補足事項(例えば、ターゲットの大きさ)を記入する[図17(a)]。補足事項がデータムターゲット記入枠の中に記入しきれない場合には、枠の外側に表示し、引出し線で枠と結ぶ[図17(b)]。
データムターゲット記入枠は、矢印を付けた引出し線でデータムターゲットを指示する記号(以下、データムターゲット記号という。)と結ぶ。図示例を図21、図22 に示す。

図17(図は割愛)


(2) データムターゲット記号

データムターゲット記号は、表2 による。

表2 データムターゲット記号(表は割愛)
備考1. データムターゲット記号は、データムターゲットを図示した表面がわかりやすい投影図に示す。
備考2. データムターゲットの位置は、主投影図に図示するのがよい(図18、図19、図20)。

図18 点のデータムターゲット(図は割愛)
図19 領域のデータムターゲット(図は割愛)
図20(a) 全体が見えるように図示した線のデータムターゲット(図は割愛)
図20(b) 側面の縁に図示した線のデータムターゲット(図は割愛)


6.3 データムターゲットの図示例

データムターゲットの図示例を 図21 及び 図22 に示す。

図21(図は割愛)
備考:
データムターゲット A1、A2、A3 によってデータムA を設定する。
データムターゲット B1、B2 によってデータムB を設定する。
データムターゲット C1 によってデータムC を設定する。

図22(図は割愛)
備考:
データムターゲット A1、A2、A3 によってデータムA を設定する。
データムターゲット B1、B2 によってデータムB を設定する。
データムターゲット C1 によってデータムC を設定する。


7.形体グループをデータムとする指示

複数の穴のような形体グループの実際の位置を他の形体又は形体グループのデータムとして指示する場合には、図23 のように公差記入枠にデータム三角記号を付ける。
図23(図は割愛)

備考1.この図示例は、八つの穴を ”データムD” として指定している。
備考2.六つの穴の位置度公差は、機能ゲージを用いて検査するとよい。


8.データムの設定

データム形体として指定された形体には、加工工程で、ある程度の誤差が生じることは避けられない。その形体は、凸面状、凹面状、円すい状などのような形状となることがあるが、このような形体に対してデータムを設定する方法の例を次に示す。


(1) 直線又は平面のデータム

直線又は平面をデータムとして指示した場合、データム形体を実用データム形体との最大間隔が可能な限り小さくなるように置いてデータムを設定する。データム形体が実用データム形体に対して安定している場合には、そのままの状態でデータムを設定する(図1 参照)。データム形体が実用データム形体に対して不安定な場合には、このすき間が安定するように適当な間隔をとって支えを置き、データムを設定する。この場合、線のデータム形体に対しては2個の支え(図24)を、平面のデータム形体に対しては3個の支えを用いる。

図24(図は割愛)


(2) 円筒軸線のデータム

円筒の穴又は軸の軸線をデータムとして指示した場合、このデータムは穴の最大内接円筒の軸直線又は軸の最小外接円筒の軸直線によってを設定する。
データム形体が実用データム形体に対して不安定な場合は、この円筒をどの方向に動かしても移動量が等しくなるような姿勢に設定する(図25)。

図25(図は割愛)


(3) 共通データム

共通軸直線又は共通中心平面のデータムは、別々のデータム形体に対して、共通の実用データム形体によってデータムを設定する。実用データム形体である二つの最小外接同軸円筒の軸直線によって設定した共通軸直線のデータムの例を図26 に示す。

図26(図は割愛)


(4) 円筒の軸線で平面に垂直なデータム

データムA は、データム形体A に接する平らな平面によって設定する。データムB は、データムA に垂直でデータム形体B に内接する最大円筒の軸直線によって設定する(図27)。

図27(図は割愛)
備考: この例では、データムA が第一次データム、データムB が第二次データムである。


9.データムの適用

データム及びデータム系は、関連する形体の間に幾何学的関係を設定するための基準として用いる。
相互に関連したデータム形体及び実用データム形体の精度は、機能上の要求に対して十分でなければならない。そのためデータム形体には、形状公差を指定することが望ましい。
データムの図示方法、また、その指定したデータムのデータム形体及び実用データム形体によってそのデータムを設定する方法の例を付表に示す。

付表 データムの設定例(図は割愛)





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