JIS規格 ばね鋼鋼材 JIS G 4801:2005/SUP6,SUP7,SUP9,SUP10,熱間圧延,冷間加工,バネ,丸鋼,脱炭層深さ,試験など
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『資料館』にJISに規定される鉄鋼(金属材料)の種類・特性・用語 などについて、JIS規格本文の内容を抜粋してまとめました。
今回追加した内容は、
ばね鋼鋼材(SUP3、SUP6、SUP7、SUP9、SUP10、SUP12 など)
ということで、以下のJIS規格本体の内容をまとめています。
JIS G 4801:2005 ばね鋼鋼材 Spring steels
『資料館』 の 『3.JISに規定される鉄鋼(金属材料)の種類・特性・用語など』 のコンテンツとして追加しています。
こちらのリンクからどうぞ。
資料館
↓
3.JISに規定される鉄鋼(金属材料)の種類・特性・用語など
↓
JIS G 4801:2005 ばね鋼鋼材
Spring steels
JIS規格 『JIS G 4801:2005 ばね鋼鋼材』 本文では、重ね板ばね、コイルばね、トーションバーなど 主として熱間成形ばねに使用するばね鋼鋼材について規定されています。
詳しくはこちらのJIS規格、 『JIS G 4801:2005 ばね鋼鋼材』 からどうぞ。
よろしければこちらもご参考に。
>> 板金加工・精密板金の材料
>> 材料の豆知識
尚以下にも、JIS規格、 『JIS G 4801:2005 ばね鋼鋼材』 の内容について記載しておきます。
JIS規格 JIS G 4801:2005 ばね鋼鋼材
1.適用範囲この規格は、重ね板ばね、コイルばね、トーションバーなど 主として熱間成形ばねに使用するばね鋼鋼材(以下、鋼材という。)について規定する。
備考: この規格の対応国際規格を、次に示す。なお、対応の程度を表す記号は、ISO/ITEC Guide21 に基づき、IDT(一致している)、MOD(修正している)、NEQ(同等でない)とする。
ISO 683-14:2004, Heat-treatable steels, alloy steels and free-cutting steels - Part 14 : Hot rolled steels for quenched and tempered springs (MOD)
2.引用規格次に掲げる規格は、この規格に引用されることによって、この規格の規定の一部を構成する。これらの引用規格は、その最新版(追補を含む。)を適用する。
* JIS G 0320 鋼材の溶鋼分析方法
* JIS G 0321 鋼材の製品分析方法及びその許容変動値
* JIS G 0404 鋼材の一般受渡し条件
* JIS G 0415 鋼及び鋼製品 - 検査文書
* JIS G 0551 鋼 - 結晶粒度の顕微鏡試験方法
* JIS G 0553 鋼のマクロ組織試験方法
* JIS G 0555 鋼の非金属介在物の顕微鏡試験方法
* JIS G 0556 鋼の地きずの肉眼試験方法
* JIS G 0558 鋼の脱炭層深さ測定方法
* JIS G 0561 鋼の焼入性試験方法(一端焼入方法)
* JIS G 0565 鉄鋼材料の磁粉探傷試験方法及び磁粉模様の分類
* JIS G 3191 熱間圧延棒鋼とバーインコイルの形状、寸法及び質量並びにその許容差
* JIS G 3194 熱間圧延平鋼の形状、寸法、質量及びその許容差
* JIS G 4051 機械構造用炭素鋼鋼材
* JIS Z 2201 金属材料引張試験片
* JIS Z 2241 金属材料引張試験方法
* JIS Z 2243 ブリネル硬さ試験 - 試験方法
* JIS Z 2245 ロックウェル硬さ張試験 - 試験方法
3.種類の記号ばね鋼鋼材は 8種類とし、その記号は、表1 による。
表1 種類の記号
SUP6、SUP7 :
シリコンマンガン鋼鋼材
主として 重ね板ばね、コイルばね及びトーションバーに使用する。SUP9、SUP9A :
マンガンクロム鋼鋼材
主として 重ね板ばね、コイルばね及びトーションバーに使用する。SUP10 :
クロムバナジウム鋼鋼材
主として コイルばね及びトーションバーに使用する。SUP11A :
マンガンクロムボロン鋼鋼材
主として 大形の重ね板ばね、コイルばね及びトーションバーに使用する。SUP12 :
シリコンクロム鋼鋼材
主として コイルばねに使用する。SUP13 :
クロムモリブデン鋼鋼材
主として 大形の重ね板ばね、コイルばねに使用する。※ SUP3 (高炭素鋼ばね鋼鋼材) について
この規格は、重ね板ばね、コイルばね、トーションバーなど主として熱間成形ばねに使用するばね鋼鋼材 について規定したものでありますが、最近の生産及び使用の実態を踏まえて、規格内容の充実を図るため、2005年版の改正で、SUP3 (高炭素鋼ばね鋼鋼材) は廃止されました。
4.製造方法ばね鋼鋼材の製造方法は、次による。
4.1ばね鋼鋼材は、キルド鋼から製造する。
4.2ばね鋼鋼材は、特に指定のない限り鍛錬成形比 4S以上に圧延などを行う。但し、ばね鋼鋼材のうち圧延用鋼片であらかじめ受渡当事者間の協定がある場合には、鍛錬成形比が 4S未満でもよい。
4.3熱間圧延鋼材は、特に指定のない限り圧延のままとする。
参考: 平鋼は、通常、ブリネル硬さ 302以下である。
4.4冷間加工鋼材は、熱間圧延鋼材を使用し、熱間圧延後に冷間加工を施して供給するばね鋼鋼材で、指定によって冷間引抜き、切削、研削又はこれらを組み合わせて製造する。
5.化学成分ばね鋼鋼材は、8.1 の試験を行い、その溶鋼分析値は、表2 による。
表2 ばね鋼鋼材の化学成分 (単位 : %) (表は割愛)
6.外観及び形状、寸法並びにその許容差
6.1 外観ばね鋼鋼材の外観は、仕上げ良好で、使用上有害なきずがあってはならない。ただし、コイル状で供給されるばね鋼鋼材は、一般に検査によって全長にわたってのきずの検出は困難であり、またその除去の機会がないため、正常でない部分を含むことがある。したがって、正常でない部分の取扱いについては、受渡当事者間の協定による。
6.2 ばね鋼鋼材のきず取り基準及び残存きずの許容限度ばね鋼鋼材のきず取り基準及び残存きずの許容限度は、受渡当事者間の協定による。
6.3 形状、寸法及びその許容差
6.3.1 丸鋼、線材及び線
a) 熱間圧延鋼材熱間圧延鋼材(丸鋼及び線材)のうち、そのままばねに熱間成形されるばね鋼鋼材の標準寸法は表3 に、寸法許容差は 表4 による。
冷間引抜き用、切削用などの素材として取り引きされるばね鋼鋼材の寸法及び寸法許容差は、JIS G 4051 の6.(外観及び形状、寸法並びにその許容差) による。表3 熱間圧延鋼材(そのままばねに熱間成形されるもの)の標準寸法(径) (単位: mm)
9、 10、 11、 12、 (13)、 14、 (15)、 16、 (17)、 18、 (19)、 20、(21)、 22、 (24)、 25、 (26)、 28、 (30)、 32、 (34)、 36、 (38)、 40、 (42)、 44、 45、 46、 (48)、 50、 (53)、 55、 56、 (60)、 63、 (65)、 70、 (75)、 80
備考1.括弧付き以外の標準寸法の適用が望ましい。
備考2.線材は、通常、直径32mm以下を適用する。表4 熱間圧延鋼材(そのままばねに熱間成形されるもの)の寸法許容差 (単位: mm) (表は割愛)
b) 冷間加工鋼材
冷間加工鋼材(丸鋼及び線材)の標準寸法は 表5 に、寸法許容差は 表6 による。
表5 冷間加工鋼材の標準寸法(径) (単位 : mm)
8、 8.5、 9、 9.5、 10、 10.5、 11、 11.5、 12、 12.5、 13、 13.5、 14、 14.5、 15、 15.5、 16、 16.5、 17、 17.5、 18、 18.5、 (19)、 20、 (21)、 22、 (24)、 25、 26、 28、 30、 32、 34、 36、 38、 40、 42、 44、 45、 46、 (48)、 50、 (53)、 55、 56、 60、 63、 (65)、 70、 (75)、 80
備考1.括弧付き以外の標準寸法の適用が望ましい。
備考2.線材は、通常、直径14mm以下を適用する。表6 冷間加工鋼材の寸法許容差 (単位 : mm) (表は割愛)
6.3.2 平鋼a) 断面形状
平鋼の断面形状は、図1 による。
図1 平鋼の断面形状b) 標準寸法及び寸法許容差
平鋼の標準寸法及び寸法許容差は、表7 による。
表7 平鋼の標準寸法及び寸法許容差 (表は割愛)
c) 横曲がり
平鋼の横曲がり(3)は、長さ5mにつき15mm以下とし、その間の任意の部分において 長さ1mにつき、3mmを超えてはならない。
注(3) 横曲がりとは、長さの方向に対する左右のわん曲をいい、図2 のように規定する。
図2 平鋼の横曲がり
7.脱炭ばね鋼鋼材は使用上有害な脱炭があってはならない。脱炭層深さの許容限度は、受渡当事者間で協定してもよい。その場合の脱炭層深さの測定方法は、8.2による。
8.試験
8.1 分析試験分析試験は、次による。
1. 化学成分は、溶鋼分析によって求め、分析試験の一般事項及び溶鋼分析試料の採り方は、JIS G 0404 の 8.(化学成分) による。
2. 製品分析試料の採り方は、JIS G 0321 の 4.(分析用試料採取方法) による。
3. 溶鋼分析方法は、JIS G 0320 による。製品分析方法は、JIS G 0321 による。
8.2 脱炭層深さ測定方法脱炭層深さの測定方法は、JIS G 0558 による。ただし、特に指定がない場合、JIS G 0558 に規定する測定方法のうち、顕微鏡による測定法を適用する。
9.検査
9.1 検査ばね鋼鋼材の検査は、次による。
1. 検査の一般事項は、JIS G 0404 による。
2. 化学成分は、5.に適合しなければならない。
3. 外観、形状及び寸法並びにその許容差は、6.に適合しなければならない。
4. 脱炭は、7.に適合しなければならない。
9.2 その他の検査9.1 に規定する検査のほか、受渡当事者間の協定によって、次の検査を指定してもよい。
【 結晶粒度検査、マクロ組織検査、非金属介在物検査、地きず検査、焼入性検査、磁粉探傷検査、機械的性質検査、顕微鏡組織検査】
ただし、検査項目、試料の採り方及び合否判定基準について、あらかじめ受渡当事者間で協定しなければならない。
なお、顕微鏡組織検査を除く試験方法は、それぞれ次による。* 結晶粒度検査 JIS G 0551
* マクロ組織検査 JIS G 0553
* 非金属介在物検査 JIS G 0555
* 地きず検査 JIS G 0556
* 焼入性検査 JIS G 0561
* 磁粉探傷検査 JIS G 0565
* 機械的性質検査 JIS Z 2201、JIS Z 2241、JIS Z 2243、JIS Z 2245
10.表示ばね鋼鋼材は、結束ごとに、次に項目を適切な方法で表示しなければならない。ただし、熱間圧延鋼材で径が30mmを超える丸鋼は、要求によってばね鋼鋼材ごとに表示してもよい。
なお、受渡当事者間の協定によって、次の一部を省略してもよい。1. 種類の記号
2. 溶鋼番号又はこれ以外の製造番号
3. 製造業者名又はその略号
4. 寸法(4)注(4) 寸法の表し方は、JIS G 3191 又は JIS G 3194 による。
11.報告JIS G 0404 の 13.(報告) による。ただし、注文時に特に指定がない場合は、検査文書の種類は JIS G 0415 の 表1(検査文書の総括表)の 記号 2.3(受渡試験報告書) 又は 3.1.B(検査証明書 3.1.B) とする。
なお、9.2 についての報告は、受渡当事者間の協定による。
【附属書(参考) JISと対応する国際規格との対比表】 (表は割愛)
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